インプラント治療とは
インプラント治療とは
歯を失ったときの治療法の一つがインプラント治療です。「インプラント体」とよばれる人工歯根を顎骨に埋め込むという点が、入れ歯やブリッジとの大きな違いです。
精密検査やカウンセリングをしたうえで、手術によってインプラント体を埋め込みます。手術後、インプラント体が顎骨と結合したら接続パーツ「アバットメント」を取り付け、さらに「上部構造」とよばれる人工歯を装着して治療完了です。
インプラント体は主にチタンという生体親和性の高い金属でできているため、顎骨と結合しやすいという特長があります。強く固定されるため、ほかの歯や歯肉などを土台とする入れ歯やブリッジと異なり、天然歯のようにしっかり噛めます。また、天然歯と見分けがつかないほど、自然で美しい見た目に仕上げられます。
噛む力と健康寿命の関係
健康寿命とは、病気の支援や介護などを必要とせず、健康な状態で日常生活を送ることができる期間を指します。できるだけ長く健康でいるためには、「噛む力」を衰えさせないことも重要です。
健康と食は密接に関係していて、噛む力が低下すると今までどおりに食事をすることが困難になります。具体的には、噛む・すり潰す・飲み込むといった行為が難しくなり、食欲が低下したり、軟らかい物ばかり食べるようになったりするのです。すると、筋力・体力の低下を招き、病気や要介護の状態になるリスクが高まります。
歯を失った場合も、インプラント治療によって噛む力を取り戻すことが可能です。また、インプラントで噛むことで顎骨に刺激が伝わり、顎骨が痩せるのを防ぎやすくなります。
インプラント治療のメリット
- 天然歯のように噛める インプラント治療では、インプラント体が顎骨と結合することで歯根の役割を果たします。天然歯とほぼ同じ構造になるため、硬い物も強く噛めるようになります。
- 残っている歯に負担をかけない ほかの歯や歯肉を土台とする入れ歯やブリッジとは異なり、インプラントは独立して人工歯を支えています。このため、ほかの健康な歯に負担をかけずに済みます。
- 耐久性が高い インプラントの寿命は、一般的に10〜15年といわれています。入れ歯やブリッジの寿命よりも長く、適切なメンテナンスの継続によって長持ちさせることが可能です。
- 通常の歯磨きでお手入れ可能 インプラントは入れ歯のように取り外して洗浄する必要はなく、通常の歯磨きでお手入れできます。虫歯になることはありませんが、インプラント周囲炎を予防するためにも、丁寧に歯磨きを行ないましょう。
インプラント治療のデメリット
- 保険適用外で費用が高い インプラント治療は審美性を高める治療と考えられているため、基本的に自費診療になり、費用が高くなりがちです。医療費控除の対象となるため、費用負担を軽減することは可能です。
- 手術が必要 インプラント体を顎骨に埋め込むためには手術が必要です。心身に負担がかかりやすいため、全身の健康状態などによっては治療を行なえない場合もあります。
- 治療後にメンテナンスが必要 手術をして上部構造を装着したら治療完了となるものの、インプラント体の脱落などのトラブルが発生しないように、治療後は定期的にメンテナンスにお越しいただく必要があります。
- 治療期間が長い 手術後、インプラント体と顎骨が結合するまで数ヵ月の待機期間があります。事前に骨の量を増やす手術を行なう場合には、さらに治療期間が長くなります。
ほかの治療との比較
インプラント |
入れ歯 |
ブリッジ |
|
---|---|---|---|
ほかの歯 への影響 |
影響は |
留め金を掛ける歯に |
両隣の健康な歯を |
耐久性 ・寿命 |
10~15年ほど |
4~5年ほど |
7~8年ほど |
噛む力 |
天然歯とほとんど変わりません |
天然歯の1〜4割ほど |
天然歯の6割ほど |
お手入れ |
天然⻭と同じように |
通常の歯磨きに加えて |
通常の歯磨きに加えて |
費用 |
自費診療(保険適用外)のため |
保険適用の |
保険適用の |